タイ ASEAN 情報
タイ商務省貿易交渉局(DTN)は6月8日、ASEANが中国・韓国・日本と実施した高級経済実務者会合(SEOM)の結果を公表した。一連の会合は、インドネシア・ジャカルタで5月25日に開かれた。
中国との会合では、中国の非関税措置がASEANからの輸入(特に農産品)に与える影響と対応に関する議論が行われた。問題のモニタリングと解決に向け、ASEAN中国自由貿易協定合同委員会(ACFTA-JC)を活用することで合意された。
ACFTAのアップグレード交渉に関しては、中国側の支援により順調に進んでおり、予定どおり2024年までに妥結される見通しだ。タイからは、中国側での市場アクセス阻害措置の解決を含む、さらなる市場自由化、貿易・投資の成長促進、ビジネス円滑化の重要性を強調し、ACFTAのルールを最新の内容に更新することを求めたという。
また、ASEAN中国の経済・貿易協力を拡大・深化させるための行動計画(2022~2026年)を予定どおり進めることや、ASEAN中国での電子商取引協力を拡大する構想が、8月の中国・ASEAN経済相会合(AEM-MOFCOM)に提案・承認される見込み。
韓国との会合では、ASEAN韓国自由貿易協定(AKFTA)について、品目別規則に適用する関税分類コードのHS2017からHS2022への移行、ASEAN韓国物品貿易協定(AKTIGA)改正議定書の完全実施のモニタリング(ベトナムでの国内手続きの加速)などが議題となった。また、AKFTAのアップグレードに関する研究結果がASEAN韓国経済大臣会合(AEM-ROK)に提出される見込み。
韓国は、ASEANとのデジタル貿易に関する研究を推進している。新たにASEAN韓国デジタル貿易協定を締結するか、AKFTAに新たな条項として追加するか、いずれかの方法で進める。また、韓国はASEANに対し、韓国・ASEAN間の経済協力を推進する準備はできていると表明した。例えば、共同でのスタートアップ政策に関する行動計画、工業規格の開発にかかる協力、ASEANの起業家が抱えるさまざまな産業分野での課題の解決を支援するため、韓国の専門家を派遣するプロジェクト(TASK)などが提案された。
日本との会合では、日・ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定に基づく投資自由化の義務を2024年までに決定するための交渉や、サービス貿易自由化の障害となっているAJCEP協定加盟国の国内法や措置に関する妥結の加速が議題となった。
日本は新分野での協力として、(1)「イノベーティブかつサステナブルな日ASEAN経済パートナーシップの未来デザインおよびアクションプラン」の策定に向けたイニシアチブの確立、(2)人的資源の開発(日ASEANでのスタートアップのキャパビルやネットワーキング)、(3)ボーダレス・イノベーションの促進(イノベーションと技術の適用を通じ、日本の民間企業がASEANの民間企業の商品・サービスの生産を支援)、(4)サステナビリティ(ASEANと日本のサプライチェーンにおける炭素排出削減を加速)などをASEANに提案した。これらの提案は、12月に東京で開催される日ASEAN特別首脳会議に提出され、日ASEAN友好協力50周年を記念する緊密な経済協力を強調する成果になると期待されている。
タイと日本との関係性 またその他アジアとのかかわり方がかなり重要になってきてる時期ですj。
記事はジェトロメールより引用しております。