ベトナムでの日本酒の可能性
ベトナムの地場ロータスフードグループ(以下、ロータスグループ、注1)は6月19日、ホーチミン市内の自社日本食レストランTENKU(天空)で、新たに考案した日本酒ペアリングメニューを発表した。同日、日本酒に関心を持つ卸売事業者や飲食業関係者ら合計20人ほどを対象に、賀茂鶴酒造(広島県)の西村宗蔵氏を講師に迎えて、日本酒3銘柄と日本料理のペアリングの魅力を解説した。
農林水産物輸出入統計によると、日本からベトナムへの2022年の日本酒輸出額は7億566万円に、数量ベースでは693キロリットルに達し、過去最高となった。新型コロナウイルス流行時に輸出が落ち込んだものの、ベトナムの日本酒市場は拡大している(添付資料図参照)。
賀茂鶴酒造の藤原昭典代表取締役会長は「シンガポールやタイに続く東南アジアの進出先として、ベトナムを選んだ理由は、1億人規模の人口で、今後の国内市場の発展に可能性を感じたからだ」と述べ、「2020年にベトナムに輸出を開始してからの3年間は、新型コロナウイルスの影響で身動きが取れなかった。賀茂鶴酒造のお酒は、料理の邪魔をしない味わいが特徴だ。日本酒ペアリングメニューを通じて、より多くのベトナム人に飲んでいただきたい」と話した。
本ペアリングメニューは期間限定で提供される予定で、日本料理とのペアリングを通じて、日本酒がより多くのベトナム人の目に触れ、理解が広まるきっかけとなることが期待される。